僕のアイデンティティソング。

僕のアイデンティティソング。

Wired vol.30に「21世紀のアイデンティティソングブック」という企画がありました。「あなたの1曲」を301人分集めたというものです。ミュージシャン、アーティストから学生まで、さまざまな方のイチオシの1曲を知れてとても興味深かったので、僕のアイデンティティソングはなんだろうといまさらながら(雑誌は昨年発刊)考えてみました。

パッと思いついたのは以下の2曲。

  1. Aphex Twin「Xtal」(Selected Ambient Works 85-92)
  2. Herbert「The Audience」(Bodily Functions)

うーん…どっちか一つに絞るのは難しい。早速企画の趣旨からは外れてしまいましたが、僕の場合はこの2曲を推します笑。

「Xtal」 Aphex Twin

Aphex TwinことRichard.D.Jamesは「テクノ界のモーツァルト」と呼ばれているアーティスト。非常に美しいメロディーをつくる一方で狂気に満ちたドリルンベース主体の激しい楽曲もあり、彼がたくさんの名義で発表したさまざまな楽曲を聴いているととても同一人物が作っているとは思えないものも多いですね。また、彼のジャケットのアートワークやMVは印象的で一度観たら脳裏に焼き付いて離れません。映像作家Chris Cunninghamが手掛けた「Come To Daddy」なんか特にそう。

Richard D. James Album [ エイフェックス・ツイン ]

本人の名前を冠したこのアルバムの顔ジャケも有名。

 

僕のアイデンティティソングの一つである「Xtal」はアルバム「Selected Ambient Works 85-92」の1曲目。約25年も前の楽曲になります。今の楽曲と較べると荒削りでアナログ感がありますが、このアナログ感が曲の世界観と合っていて、その世界観を創り出すのに一役買っている気がします。エコーのかかったシンセに美しい女性の声が響き渡り、そこにビートが入る。その音はとても優しく心地よい。ヘッドホンで聴くとどこかにトリップしてしまうかのような浮遊感。この曲が10代半ばに作曲されたものだというから驚きです。この曲を聴いていると、まだ人類が誕生する前の太古の地球が想起されます。テクノミュージックの原点であり、僕にとってもテクノ・ハウスを聴くきっかけになった原点。

 

「The Audience」Herbert

もう一つのアイデンティティソングはMatthew Herbertの「The Audience」。Wiredの企画にもこちらをアイデンティティソングとして挙げている方がいらっしゃいました。Herbertは楽曲制作の際に既存の音は使わないという自身に対する制約を設けているストイックな方。アルバム「Bodily Functions」もその制約下で制作され、特にタイトルに表れているように身体が発するさまざまな音を楽曲に用いています。一つひとつの音はとても不思議なんですが、全体を通して漂ってくるのは大人でムーディーな雰囲気。ジャズの要素がふんだんに取り入れられていて聴きやすいハウスミュージック。ボーカルを務めるのはHerbertの奥さんであるDani Siciliano。「It’s Only」「Suddenly」「Leave Me Now」「The Last Beat」「You Saw It All」等、好きな楽曲が多いこのアルバムですが、「The Audience」は別格ですね。小気味良いボーカルの掛け合いで序盤から曲に引き込まれます。曲が展開していくにつれて声に力強さが増していき、ピアノの演奏が入ってくる3:00あたりからはもう鳥肌ものです。何度リピートしたかわかりませんし、何度聞いても後半の展開には高揚感を得ることができます。

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